OCLHashcat と John the Ripper のマルコフ法の違い

  • JtRのレベルは文字列全体の確率から計算される値
    • 文字列の長さの最大値は決められるが, 文字列の長さそのものや最短文字数は指定できない.
    • 文字列の確率がレベルで指定された確率以上になるものは必ず検査される.
  • OCLHashcatのthresholdは, n 番目の文字から n+1 番目の文字を選ぶとき, 遷移確率上位の何番目までを選択するかの順位の数.
    • 文字列の長さ, 文字種は固定で変更できない.
    • 文字列長 L, threshold t のとき, 検査される空間の大きさは t^L.
      • 文字種が a 種類のとき threshold が a ならば, 全空間になる.
    • 文字列選択が局所的に決められているため, 速度は出るが, 文字列全体の確率が高いものが必ず検査されるわけではないということが起る.
      • 確率の低い遷移を切り捨ててしまっているため, 記号への遷移がある文字列がより選択されにくくなる.
    • threshold は整数値で指定され, 検査可能な全文字列空間の L 乗根で決まるため, L が長くなってくると容易に増やすことはできなくなる.