Skype不通の遠因

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  • スーパーノードからの返答が異常になったとき,非スーパーノードのログイン要求が止らない状態になるのを回避もしくは抑制する機構が存在していなかった.今も存在していないのかもしれない.
    • ネットワーク資源を保護する機能がないままP2Pシステムが巨大になれば,システムが制御できない状態になったときネットワークそのものが不通にされる可能性がある.
  • スーパーノードの数,もしくはスーパーノード昇格の要件はある程度コントロールできるが,スーパーノード全体に行き渡るにはある程度の時間が必要.
    • システムを管理しなくてよいという長所を裏返せば,完全には管理できないということ.
  • 岩田真一ジェネラルマネージャーのblog
「僕はそこまで詳しく聞いていないのでわからないが、本社では原因を究明し、その問題点は修正済み」
「僕は詳しいことを聞いていないのでわからないが」の部分を「Skypeでもはっきりわかってない。原因はまだ謎」のような書き方をしているメディアもあった。違う。本社開発では原因は明らかで、修正済み。
エンジニアやアーキテクトはみんな見知った仲で、顔が浮かんでくる。
    • 顔が浮かんで来るほど見知った仲のジェネラルマネージャーが詳しく聞く気を起さない/起してはならない/起しても教えて貰えない/教えて貰っても話せない体制にあるということ.
    • 究明された原因も問題があったアルゴリズムの内容も修正の方法も未だに秘密のベールの向うか,誰も知らない/知られちゃいけない/何も言えない/話しちゃいけない.
復旧後、しかし、4年もの歳月、しかもユーザー数が他に例を見ないほどのペースで急増するサービスが一度も長期的にストップしなかったのは、やはり驚異であり、P2Pテクノロジーの底力と言えるだろう。
    • SkypeP2Pシステムに参加することは,意識するとしないとに関わらず他に例を見ない規模の「実験」に参加しているということ.システム異常が起きればその当事者になる.システムが正常機能していることはやはり驚異なことらしい.
総合的に見ると、今回の障害は、誤解を恐れずに書くならば、メディアへの露出も高まったし、ライバル製品との比較も行われ、しかも優位な結果になったし、 Skype常用者にとってもたまに「空気」を意識するきっかけにもなったし、良いことずくめであったように思う。
    • 結果的に見ると今回の障害は,誤解を恐れず書くならば,P2P通信検知および隔離機能が予定通り動作する検証になったし,Skype常用者には制御不能になればネットワーク資源を食い尽す危険物を使用しているのだということを多少は意識させることができたし,snortのバージョンアップやskypeプリプロセッサを導入するきっかけになったし,良いことづくめであったように自分に言い聞かせることに.
繰り返しになるが、もう同じ原因でSkypeが止まることはない。
    • 逆に考えるんだ,止められない止まらないと考えるんだ.